消えた映画館の記憶

所在地 : 千葉県東葛飾郡松戸町（1930年・1934年・1936年）、千葉県東葛飾郡松戸町1264（1941年）、千葉県東葛飾郡松戸町（1943年）、千葉県松戸市松戸1247（1947年）、千葉県松戸市松戸町（1950年）、千葉県松戸市松戸1264（1953年）、千葉県松戸市松戸1-1264（1955年・958年）、千葉県松戸市松戸1264（1960年）、千葉県松戸市松戸1-1264（1963年）、千葉県松戸市1-1264（1966年・1969年）
開館年 : 1926年12月
閉館年 : 1970年頃
Wikipedia : 松戸映画劇場
『全国映画館総覧 1955』によると1933年12月開館。1927年の映画館名簿には掲載されていない。1930年・1934年・1936年の映画館名簿では「松竹館」。1941年・1943年の映画館名簿では「松戸松竹館」。1947年・1950年・1953年・1955年・1958年の映画館名簿では「松戸映画劇場」。1960年・1963年・1966年・1969年の映画館名簿では「松戸東映劇場」。1962年の全住宅案内図帳では「松戸映画劇場」。1969年の住宅地図では「松戸東映」。1971年の映画館名簿には掲載されていない。1985年の住宅地図では跡地に「上州屋つり具店」など。跡地は松戸駅西口西南西100mのマンション「松戸駅前ハイツ」。閉館後の土地区画整理事業で道路割が変化しているので参考程度に。最寄駅はJR常磐線・新京成線松戸駅。

1930年の『大日本職業別明細図 第201号』「松戸町」には「常盤家」（※館ではなく家）と「松竹館」が描かれている。*1

1930年の松井天山『千葉県松戸町及明村鳥瞰』には「常磐館」（※常盤ではなく常磐）と「松竹館」が描かれている。裏面の広告には「活動常設 常磐館」と「活動常設 日活 松竹館 宮田仁輔」が掲載されている。*2

1926年12月、松戸町の駅通り奥に宮田仁輔によって「松竹館」が開館した。建坪60坪。2階建て。当初は日活の上映館であり、封切館である浅草富士館・本所日活・新宿日活の後を狙って上映した。その後森本興行が所有者となった。1935年から1937年頃には常盤館も「松竹館」も森本興行が経営しており、常盤館は日活と松竹作品を、松竹館は新興キネマと大都映画作品を上映していた。松竹館は戦後に「松戸東映劇場」に改称した。*3

1965年の松戸市の中通りにあった「松戸東映劇場」の写真あり。旧称は「松竹館」である。*4

所在地 : 千葉県東葛飾郡松戸町（1925年・1930年・1934年・1936年）、千葉県東葛飾郡松戸町1-1957（1941年）、千葉県東葛飾郡松戸町（1943年）、千葉県松戸市1丁目（1947年）、千葉県松戸市松戸町（1950年）、千葉県松戸市松戸1-195（1953年）、千葉県松戸市松戸1-1957（1955年・1958年）、千葉県松戸市松戸1957（1960年・1963年）、千葉県松戸市松戸1-1957（1966年）、千葉県松戸市松戸1-1959（1969年・1973年・1975年）、千葉県松戸市松戸16-4（1978年）、千葉県松戸市本町16-4（1980年・1985年・1990年・1992年）
開館年 : 1925年
閉館年 : 1992年8月28日
Wikipedia : 松戸常盤館
『全国映画館総覧 1955』によると1925年開館。1925年の映画館名簿では「常盤館」。1927年の映画館名簿には掲載されていない。1930年・1934年・1936年・1941年の映画館名簿では「常盤館」。1943年の映画館名簿では「松戸常盤館」。1947年の映画館名簿では「常盤館」。1950年の映画館名簿では「松戸常盤館」。1953年の映画館名簿では「常盤館」。1955年・1958年・1960年・1963年・1966年・1969年・1973年・1975年・1978年・1980年・1985年・1990年・1992年の映画館名簿では「松戸常盤館」。1962年の全住宅案内図帳では「松戸常盤館」。1969年の住宅地図では「常盤館」。1984年・1985年の住宅地図では「常盤館（松戸東映）森本興業（株）」。1992年の映画館名簿では経営会社が八景中央興業、経営者・支配人ともに堀越清一、木造1階、230席、東映を上映。1993年の映画館名簿には掲載されていない。跡地はマンション「藤和シティコープ松戸本町」。最寄駅はJR常磐線・新京成線松戸駅。

1924年1月11日の千葉毎日新聞の記事。近頃の松戸町の発展は恐ろしいほどである。千葉県では市川町と同じく東京に最も近いことも理由だろう。常設活動館の「常盤館」は毎日満員になるほどである。*5

1925年5月、松戸町の「常盤館」で大日本衛生普及会の主催による東葛飾衛生展覧会が開催された。*6

1930年の松井天山『千葉県松戸町及明村鳥瞰』には「常磐館」（※常盤ではなく常磐）と「松竹館」が描かれている。裏面の広告には「活動常設 常磐館」と「活動常設 日活 松竹館 宮田仁輔」が掲載されている。*7

松戸市本町1丁目から3丁目附近は古くからの松戸の中心地であり、1986年現在も映画館「常盤館」が営業している。1923年の関東大震災の直後、商店街の有志が活動写真館の常盤館を建てた。やがて業績不振となったが、森本吉太郎が経営者となって維持した。*8

2005年現在の松戸市本町4番地には映画館「常盤館」があった。通りに沿ってアーチ型の入口があり、敷地に入ると左側に佐々木菓子店、右側には上映中の作品のスチール写真があった。1935年から1937年頃には常盤館も「松竹館」も森本興行が経営しており、常盤館は日活と松竹作品を、松竹館は新興キネマと大都映画作品を上映していた。松戸周辺の町では、葛飾区金町に「金町松竹館」が、柏町に「富士館」が、市川町に「市川日活」と「三松館」があり、金町松竹館から常盤館までフィルムが運ばれた。*9

所在地 : 千葉県松戸市根本薬師438-16（1982年）、千葉県松戸市根本14-2 アーバンヒル内（1984年・1985年・1988年）、千葉県松戸市根本14-2（1990年・1992年・1993年）
開館年 : 1980年10月、1985年4月27日（2館化）
閉館年 : 1993年（移転）
1980年の映画館名簿には掲載されていない。1982年の映画館名簿では「サンリオ劇場」。1984年・1985年の映画館名簿では「松戸サンリオ劇場」。1984年の住宅地図では「三越アーバンヒル・モール 1階サンリオ劇場」。1985年の住宅地図では「アーバンヒル 1階101サンリオ劇場」。1988年・1990年・1992年・1993年の映画館名簿では「松戸サンリオ劇場1・2」（2館）。1993年の映画館名簿では経営会社がサンリオ、経営者が辻信太郎、支配人が柳沢定、鉄筋造1階、1が282席で洋画を上映、2が112席で東宝を上映。後継館は松戸サンリオシアター1-4。跡地は2001年竣工のマンション「パークスカイタワー松戸」。最寄駅はJR常磐線・新京成線松戸駅。

1980年のこのほど、松戸市根本14-2のアーバンビル松戸に「サンリオ劇場」が開館した。経営はサンリオ。座席数282。*10

1985年4月27日、松戸市根本に112席の「サンリオ劇場2」が開館する。オープニングは『チェッカーズ・イン・タンタンたぬき』。282席の「サンリオ劇場1」が好調であるため、劇場の隣接地にある直営レストランを約4500万円かけて改修した。*11

1985年4月27日、松戸市根本14-2 アーバンビル内に「松戸サンリオ劇場2」が開館した。112席。「松戸サンリオ劇場」に隣接するレストラン跡地。経営はサンリオ。*12

戦後には松戸市本町3丁目に松戸公産会社（松戸競輪）が経営する「輝龍会館」と「バンビ劇場」が開館した。また、アーバンヒルの隣に「サンリオ劇場」が開館した。*13

1994年秋の開館を目標とし、サンリオは町田市に3スクリーンの映画館の開館を計画している。120人、160人、200人収容の小型館とし、同一作品の時間差上映も行う。内装や映写機などに約3億5000万円を投資し、共有スペースにはサンリオのギフトショップなども併設する予定。1993年4月現在、サンリオは千葉県松戸市で5スクリーンの映画館を経営しているが、うち2スクリーンはビルの建て替えに合わせて今秋に閉館する予定。3年後の1996年、サンリオは経営館を既存館を含めて15スクリーンに増やす予定である。*14

所在地 : 千葉県松戸市根本461（1973年・1975年・1978年・1980年・1982年・1983年・1984年・1985年・1990年・1995年・2000年）
開館年 : 1971年頃（2館）
閉館年 : 1982年（弁天劇場）、2000年（京葉劇場）
Wikipedia : 松戸京葉劇場
1970年の映画館名簿には掲載されていない。1973年・1975年・1978年・1980年・1982年・1983年の映画館名簿では「松戸京葉劇場・松戸弁天劇場」（2館）。1973年の映画館名簿では経営会社が京葉センター、経営者が岩山睦、支配人が田中義一、松戸京葉劇場が鉄筋造4階で180席で洋画を上映、松戸弁天劇場が鉄筋造3階で200席で成人映画を上映。1982年の映画館名簿では経営会社が京葉センター、経営者が岩山睦、支配人が大沢建介、松戸京葉劇場が鉄筋造3階で200席でにっかつを上映、松戸弁天劇場が鉄筋造4階で130席で成人映画を上映。1984年・1985年・1990年・1995年・2000年の映画館名簿では「松戸京葉劇場」。1984年・1985年の住宅地図では「京葉センター 弁天会館 3階京葉劇場 4階ヌード松戸A級」。2000年の映画館名簿では経営者・支配人ともに倉内進、鉄筋造4階、200席、成人映画を上映。2001年の映画館名簿には掲載されていない。映画館が入っていた弁天会館ビルは松戸駅東口北北東170mに現存。最寄駅はJR常磐線・新京成線松戸駅。

所在地 : 千葉県松戸市松戸1823（1960年・1963年・1966年・1969年・1973年・1975年・1978年・1980年・1985年・1986年・1988年・1990年・1995年・2000年）
開館年 : 1959年4月
閉館年 : 2000年4月14日
Wikipedia : 松戸輝竜会館
1958年の映画館名簿には掲載されていない。1960年・1963年の映画館名簿では「松戸大映・バンビ劇場」（2館）。1962年の全住宅案内図帳では「輝龍会館 映画館」。1963年の映画館名簿では経営者が松戸競輪会社、支配人が渡辺芳春、松戸大映が鉄筋造2階冷暖房付で定員970で大映・東宝を上映、バンビ劇場が鉄筋造2階冷暖房付で定員300で洋画を上映。1966年の映画館名簿では「輝竜会館松戸大映劇場・輝竜会館松戸バンビ劇場」（2館）。1969年・1973年・1975年の映画館名簿では「輝竜会館松戸大映・輝竜会館松戸バンビ」（2館）。1969年の住宅地図では「輝龍会館」。1971年の住宅地図では「輝竜会館」。1978年・1980年・1985年・1986年の映画館名簿では「輝竜会館・バンビ劇場」（2館）。1986年の映画館名簿では経営会社が松戸公産、経営者が椎名和司、支配人が戸張武、輝竜会館が鉄筋造1階で405席で松竹・洋画を上映、バンビ劇場が鉄筋造2階で238席で洋画を上映。1984年・1985年の住宅地図では「松戸輝龍会館 バンビ劇場」。1988年・1990年・1995年・2000年の映画館名簿では「輝竜会館シネマ1・2・3」（3館）。2000年の映画館名簿では経営会社が松戸公産、経営者が藤井和、支配人が川井勝、1が1階で375席で洋画を上映、2が2階で195席で洋画を上映、3が2階で99席で洋画を上映。2001年の映画館名簿には掲載されていない。跡地はマンション「パークホームズ松戸シティフロント」。最寄駅はJR常磐線・新京成線松戸駅。

昭和40年代の松戸市にあった「輝竜会館」の写真あり。「輝龍会館」（※竜ではなく龍）や「バンビ劇場」の文字が見える。松戸宿の2丁目にあり、松戸公産が経営していた。*15

戦後には松戸市本町3丁目に松戸公産会社（松戸競輪）が経営する「輝龍会館」と「バンビ劇場」が開館した。また、アーバンヒルの隣に「サンリオ劇場」が開館した。*16

1987年3月21日、松戸市松戸1823に「輝竜会館シネマ3」が開館した。100席。経営は松戸公産。*17

所在地 : 千葉県松戸市本町21-2（1994年・1995年・1998年・2000年・2005年・2006年）
開館年 : 1993年3月20日（移転）
閉館年 : 2006年
前身館は松戸サンリオ劇場1・2。1994年・1995年・1998年の映画館名簿では「松戸サンリオシアター1-3」（3館）。2000年・2005年・2006年の映画館名簿では「松戸サンリオシアター1-4」（4館）。2006年の映画館名簿では経営会社がサンリオ、経営者が辻信太郎、支配人が正木香、1が6階で252席、2が4階で168席、3が4階で104席、4が6階で58席。2006年4月1日に同一ビル内にある松戸シネマサンシャイン1-3に引き継がれた。2010年の映画館名簿には掲載されていない。映画館が入っていた都市綜合第3ビルは現存。最寄駅はJR常磐線・新京成線松戸駅。

1993年3月末、松戸市の松戸駅前に開業するビル4階から6階に、サンリオによって3スクリーンの映画館「松戸サンリオシアターシネマ1・2・3」が開館する予定。うち1館では東宝系邦画を、残りの2館では洋画を上映する。座席数は252席、168席、104席の小型映画館である。同一ビル3階には佐々木興業も3スクリーンのビデオシアターを開館予定である。サンリオはアニメ映画を自社製作しており、その一環で映画館経営も手がけている。*18

1993年3月20日、松戸市の松戸市土地組合ビルに2施設計6館が開館した。佐々木興業が直営する3館のビデオシアター、サンリオが直営する3館の映画館が開館した。*19

所在地 : 千葉県松戸市本町21-2（1994年・1995年・1998年・2000年・2005年・2006年・2010年・2012年）
開館年 : 1993年3月13日（3館）、2006年4月1日（7館化）
閉館年 : 2013年1月31日
1993年3月13日に3館で開館。1994年・1995年・1998年・2000年・2005年・2006年の映画館名簿では「松戸シネマサンシャイン1-3」（3館）。2006年の映画館名簿では経営会社が佐々木興業、経営者が佐々木良一、支配人が高田勝史、1が3階で93席、2が3階で108席、3が3階で120席。2006年4月1日に同一ビル内にある松戸サンリオシアターの4館を引き継いで7館化。2010年・2012年の映画館名簿では「シネマサンシャイン松戸1-7」（7館）。2012年の映画館名簿では経営会社が佐々木興業、経営者が佐々木伸一、支配人が斉藤邦博、1が6階で252席、2が6階で60席、3が4階で168席、4が4階で104席、5が3階で60席、6が3階で108席、7が3階で120席。2015年の映画館名簿には掲載されていない。都市綜合第3ビル 3階・4階・6階。7スクリーンのシネコン。映画館が入っていた都市綜合第3ビルは現存。最寄駅はJR常磐線・新京成線松戸駅。

1993年3月20日、千葉県松戸市にビデオシアター「松戸シネマサンシャイン1・2・3」が開館した。運営は中堅興行会社の佐々木興業。1983年、千葉県船橋市に日本初のビデオシアターが開館し、現在は全国で66スクリーンがある。東宝では1991年の配給収入の内0.9%がビデオシアターだったが、1992年には1.3%に増えている。*20

1993年3月、松戸市本町21-2の既存のビルを改造して「松戸シネマサンシャイン」が開館した。3館すべてがビデオシアターである。ビデオシアターはさほど天井高を必要としないことから、スーパーやデパートに併設する形で急増している。*21

1993年3月20日、松戸市の松戸市土地組合ビルに2施設計6館が開館した。佐々木興業が直営する3館のビデオシアター、サンリオが直営する3館の映画館が開館した。*22

2013年1月31日をもって、松戸市唯一の映画館「シネマサンシャイン松戸」が閉館する。最終上映作品は20時開始の『レ・ミゼラブル』であり、上映終了後には希望者によって交流会を開催予定である。*23

所在地 : 千葉県松戸市八ヶ崎2-8-1 テラスモール松戸内（2020年）
開館年 : 2019年10月25日
閉館年 : 営業中
2015年の映画館名簿には掲載されていない。2020年の映画館名簿では「ユナイテッド・シネマ テラスモール松戸1-11」（11館）。最寄駅はJR常磐線・武蔵野線新松戸駅。

このほど、住友商事は千葉県食品流通センターとの間で松戸市公設地方卸売市場北部市場の跡地を50年間貸借する契約を結んだ。2018年度中には大型商業施設の建設に着工し、2019年度の開業を目指すとしている。老朽化や耐震性などが理由で、2017年3月末に公設市場が閉鎖されていた。*24

松戸市八ヶ崎2丁目のテラスモール松戸に「ユナイテッド・シネマ テラスモール松戸」が開館する。11スクリーン計1973席。松戸市唯一のシネコンであり、IMAXレーザー、4DX、ScreenX」を同時導入する。*25

2019年10月25日には松戸市にテラスモール松戸が開業予定であり、シネコン「ユナイテッド・シネマ テラスモール松戸」も開館する。11スクリーン計1973席。2013年に「松戸シネマサンシャイン」が閉館してから6年間は松戸市に映画館が存在しなかった。4DXやScreenXを導入し、さらに千葉県で初めてIMAXレーザーを導入する。*26

2019年10月25日、松戸市に地域最大規模の大型商業施設「テラスモール松戸」が開業する。2017年に閉鎖された北部市場の跡地であり、敷地面積は約4万9000平方メートル。初年度の売上目標は270億円であり、来館者数の目標は1060万人。*27