所在地 : 静岡県小笠郡掛川町(1930年・1936年・1950年)、静岡県小笠郡掛川町大手1116-4(1953年)、静岡県掛川市大手町1116-4(1955年)、静岡県掛川市大手町1116(1958年)、静岡県掛川市大手町116-2(1960年)、静岡県掛川市大手町126(1963年)、静岡県掛川市大手町1116(1966年)、静岡県掛川市大手町116-2(1969年)、静岡県掛川市大手町1116(1973年)、静岡県掛川市大手町5-9(1976年)、静岡県掛川市大手町1116-2(1980年・1985年・1990年)
開館年 : 1907年頃
閉館年 : 1991年2月28日
『全国映画館総覧 1955』によると1909年8月開館。1930年・1936年・1950年の映画館名簿では「掛川座」。1953年の映画館名簿では「掛川映画劇場」。1955年・1958年・1960年・1963年・1966年・1969年・1973年・1976年・1980年・1985年・1990年の映画館名簿では「掛川座」。1961年の掛川市住宅明細図では「掛川座」。1964年の掛川市住宅明細図では「掛川座」。1970年の住宅地図では「掛川座」。掛川市最後の映画館。跡地は市営「掛川大手門駐車場」建物東側。最寄駅はJR東海道本線掛川駅。
1907年頃の劇場「掛川座」の竣工記念写真あり。大手町に新築された。1979年現在の掛川座は、映画も演劇も上演できる掛川市唯一の劇場である。
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1953年頃の掛川市大手町にあった映画館「掛川座」の写真あり。江戸時代の掛川藩時代には大手厩と馬場があり、明治初期には掛川監獄があり、明治20年代には米茶取引所も開設された。1900年の掛川大火後には中町遊郭が一時的に移転してきたが、やがて中町遊郭は十九首裏に移転し、掛川座が建設された。桟敷席と枡席を持つ畳敷きの劇場であり、戦後に椅子席に改造された。
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1907年頃には掛川座が建築され、1989年現在もその建物を使用している。1907年頃の掛川座の写真あり。
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1953年頃の「掛川座」の写真あり。『君の名は』の看板が見える。1909年7月10日に開場式が、7月14日に舞台開きが開催された。掛川町大手の有力者によって、厩の跡地の広場に設けられた劇場である。畳敷きの花道、枡席、回り舞台、奈落からせりあがる装置、楽屋、2階席などがあった。格天井には枡形の一つ一つに商店広告が入っていたという。演劇ととともに映画の上映も可能だった。昭和初期には木製ベンチ席となった。
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戦後、掛川市の劇場「掛川座」は椅子席に改造され、映画・芝居・歌謡ショー・浪曲・講演会・諸行事の会場として使用された。1956年には「掛川映画劇場」に改称し、ワイドスクリーンを備えた本格的な映画館となった。1991年2月27日にお別れ興行を開催した。
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1907年頃、芝居小屋として「掛川座」が発足した。昭和初期頃に2代目の田島氏が、1954年に現在の戸塚興業が経営を引き継いだ。芝居小屋として開館したため、花道や舞台中央の昇降装置もあった。掛川には4軒の映画館があり、東映のやくざ映画や時代劇が中心の栄劇場、洋画専門の中央劇場、日活映画専門の掛川座などというふうにすみ分けられた。掛川座で岸恵子主演の『君の名は』が上映された際には、国鉄掛川駅近くまで観客の行列が続いたという。
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1953年頃の掛川市にあった「掛川座」の写真あり。『君の名は』と『とのさま街道』が上映されていた。1907年頃に大手町に開館した。花道や回り舞台のある本格的な劇場であり、内部は桟敷と畳敷きだったが、戦後に椅子席に改造された。1988年現在の掛川市に残る唯一の劇場だが、都市計画事業によって取り壊される予定である。
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1991年2月末、土地区画整理事業のために映画館「掛川座」が閉館する。14歳の美空ひばり、歌手の田畑義夫、女優の高峰三枝子、木暮実千代などが掛川座を訪れた。俳優の伊東四朗は、掛川にあった母親の実家で小中学生時代を過ごしており、「掛川座は私の芸の原点」と語る。
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掛川市の映画館「掛川座」ではこのほど、閉館を惜しむイベントを開催した。掛川座は1991年2月いっぱいで閉館する。小学生時代に子役で掛川座の公演に出演したという伊東四朗が来館している。閉館理由は土地区画整理事業のため。
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1991年2月27日をもって、掛川市大手の映画館「掛川座」が営業を終了する。都市改造事業で取り壊しを余儀なくされるため。1907年に建設され、日本最古の芝居小屋映画館と言われている。経営は戸塚興業株式会社。2月13日から市民映画祭と題した企画が開催されており、最終日の2月27日には小説家の村松友視の公演などが開催される。
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1991年2月27日をもって、掛川市の映画館「掛川座」が82年の歴史に幕を下ろして閉館した。1909年創立。掛川市の区画整理事業に伴って閉館し、取り壊しが決定している。地方の映画館としては老舗とされる。2月27日には『ラストショー』を上映するさよならイベントが開催され、約300人が参加した。上映後には参加者全員で「蛍の光」を合唱した。
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1991年3月15日号の『朝日ジャーナル』には「掛川座」が閉館するという記事が掲載されている。現物は未確認。
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掛川市大手町にあった映画館「掛川座」は、1907年に開館し、1990年に閉館した。1991年に取り壊され、跡地は掛川市営駐車場となっている。2001年には静岡県立磐田北高校の教員が掛川座の思い出をつづった書籍『掛川座 ぼくのシネマパラダイス』を出版した。
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村松友視『黄昏のムービー・パレス』には、「掛川座」に関する随筆が掲載されている。
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2006年6月、総合福祉施設として「総合福祉ステーションビル 掛川座」が開業した。名称は映画館の掛川座に因んでいるが、所在地は映画館時代と異なる。
掛川座を主題とする文献として土屋智宏『掛川座 ぼくのシネマパラダイス』静岡新聞社、2001年がある。
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