かつて存在した映画館についてのwikiです。事実上の個人サイトであり管理人「hekikaicinema」のみが編集可能です。

刈谷日劇
Asturio Cantabrio cc-by-4.0

所在地 : 愛知県刈谷市御幸町1-86(現在)
開館年 : 1954年
閉館年 : 営業中

地域情報フリーペーパー『COCON』2016年3月号に掲載された特集記事*1

「仕事帰りにぶらっと映画でもどう? 60余年の歴史あり 刈谷市唯一の映画館 刈谷日劇」
昭和29年、週3本の映画を上映する洋画専門館として、先代社長が広小路町に開館した「刈谷日劇」。昭和46年に御幸町に移転、平成13年のリニューアルを経て、平成24年からは2スクリーンのミニシアターとして営業しています。市内にいくつかあった映画館はすでに閉館し、市唯一の映画館となった刈谷日劇。地元の映画館の魅力について、お話を伺ってきました。

地元の人も、映画ファンも作品と交流を楽しめる場所
スクリーン1では最新のデジタル映写機による新作を、スクリーン2ではいわゆる「名画座」スタイルの2本立てをと、1つの映画館の中で2つの楽しみ方ができる「刈谷日劇」。20年前に入れ替えたというスピーカーは、「当時最高級なものを入れたんです。セッティングの関係か『シネコンよりもいい音がする』と言ってくださる方も多くて」と、代表取締役の堀部さん。そのため、音楽に関係した映画を比較的多く上映しているのだとか。スクリーン1は堀部社長が、スクリーン2はマネージャーの亀谷さんが作品を選んでいますが、「作品選びの参考にするのは、お客様のリクエスト」と亀谷さん。マニアックになり過ぎず万人に楽しんでもらえることにも留意して、作品選びをされています。

刈谷日劇ならではの特徴のひとつが、今でもフィルム上映が楽しめること。フィルム作品を昔と同じ環境で見られるので懐かしく、また貴重だということから、作品によっては名古屋や東京からもファンが訪れています。亀谷さんは「ここでしか観られないものを求めて遠方から来ていただけるのはとてもありがたい。でも、もっと地元の方にも気軽に来てもらえたら」と考えています。近年では、テレビはもちろんDVDレンタルなども増え頻繁には映画館に行かない方も多いのでは。それでも映画館だからこそ味わえるのが臨場感。住宅事情などの変化で、自宅で大きな音を出すのは気が引けて…という方にも、大きなスクリーンと音響設備は魅力的です。さらには「お客様とお話ししてわかったのですが、映画が好きな人はそのことを誰かと語り合いたいという気持ちが強いようです」と亀谷さん。刈谷日劇の休憩スペースで話に花を咲かせている場面もよく見らられるのだとか。「ファン同士で話ができるというのも、わざわざ映画館に出かけるきっかけになると思います。シネコンではなく規模が小さいからこそ、顔なじみになりやすいのかもしれませんね」。刈谷日劇は、映画と人、そして人と人とをつなぐ場にもなっています。

興行収入など、やっと少しずつ映画界も盛り返してきているそうですが、さまざまな娯楽やレジャーのある今日、刈谷というまちの規模でも、一企業でのミニシアターの経営は、いつ閉館しても仕方ないような状況なのだそう。それでも堀部社長は「刈谷の文化や芸術を少しでも残していきたい」と考えています。この春には近隣市とも協力しフィルムコミッションの立ち上げも計画中で、映画をきっかけとしたまちづくりにも取り組んでいます。亀谷さんは「スクリーン2は名画座スタイルなので、入場料を払えばお気に入りの作品ならくりかえし観て一日中でも楽しめます。本命のついでに見た作品が面白かったという経験もありますから(笑)、新しい作品に出会えるきっかけにもなる。地元の方にも映画ファンにも満足してもらえる作品を提供したい。映画館を残したいという社長の思いにも応えたいです」とお話ししてくださいました。

毎月第2土曜の19時からは、亀谷さんと刈谷日劇ファンとで、映画についてワイワイと語らう場が設けられています。「ギャラをお支払いしているわけでもないんですが、たくさん集まってくださって(笑)、皆さんにいろいろ教えていただいています。その後お茶をしにいったりもするんですよ」。そこから友達になって新しい交流が始まって、という方もたくさんいるのだそう。初めての方でも、もろちん参加OKなのでお気軽にどうぞ。また、刈谷日劇のラスト上映は19時からですが、ここにも亀谷さんの「仕事帰りにぶらっと1本見に行けるように」という思いが込められています。「何を上映しているかわからないけどぶらっと行ってみようかな、気分転換に2時間ほど違う世界に行ってみようかな、と気楽な感じで足を運んでもらえたら。なんとか刈谷最後の映画館として残していきたい。刈谷の方でもここに映画館があると知らない方もいらっしゃるので、ぜひ映画館の存在を知っていただきたいです」。

休憩スペース
休憩スペースには軽食やドリンクが。壁面に描かれているのは、三池崇史監督作品の美術を手掛けることなどで知られる、映画美術監督・林田裕至氏の直筆! 舞台挨拶に来られた際に、2日かけて2面を描かれたのだとか。ド迫力!
館内の様子
40代、50代〜の方には懐かしさもある「映画館」のムードを、今なお感じられる館内。当時の気分に浸りながら映画を楽しむのもおススメ。
フリーメッセージボード
見たい作品のリクエストや、映画ファン同士の交流の場として設けられている「掲示板」。「ぜひ〇〇やってください」「居心地いいのでまた来ます!」などの声がびっしり。
フィルム映写機
スクリーン1のフィルム映写機。昔はフィルム映写機が2台並んでいたところへ「1台横にずらしてデジタルを入れました(笑)。スクリーン2では、実際に35mmフィルムにて上映中だった。
代表取締役 堀部俊仁さん
アクションものなどの洋画がお好きな堀部社長。悩んだ末のお気に入り1作品は『グラディエーター』。「アカデミー賞もとりましたよね。ラッセル・クロウ、かっこいいでしょう」
マネージャー 亀谷宏司さん
お好きな映画は『私をスキーに連れてって』。「一番見ているというならこれです。ベタすぎるくらいベタで娯楽大作過ぎてあまり現実味はありませんが(笑)、当時の社会すべてがつめこんである。スキーが好きなので、年に1回ずつ、冬が近くなると見ています。

参考サイト

刈谷日劇/刈谷小劇場 - 港町キネマ通り
刈谷日劇 - Wikipedia

コメントをかく


ユーザーIDでかく場合はこちら

画像に記載されている文字を下のフォームに入力してください。

「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

メンバーのみ編集できます